「支配型」の親K 「親の期待通り」より「子どもの選択」を尊重する
あなたは「子どもが期待通りに動かない」
と思っていませんか?
不登校の急性期を過ぎ、慢性期に入ると
「朝起きるようになってきた」
「みんなで食事を取るようになってきた」
と子どもに変化が出てきます。
親としては、ここから回復へ・・・
と期待していたが、今日は起きなかった。
ひとりで部屋にこもってしまった。
そういうことが度々起こります。
「今日はこうなったから、明日はこうなるはずだ」
「ああしたから、子どもはああなるはずだ」
という親の期待に子どもが反するのです。
「支配型」の親の、
不登校の子どもの慢性期によくあることです。
それには2つの原因が考えられます。
原因@ 心身の状態は日々異なる
身体の調子も、心の調子も、
右肩上がりで回復していくわけではありません。
調子が良い日があれば、
調子が悪い日もある。
不登校の慢性期は、
まだまだ本調子ではありません。
朝起きれる日や
みんなで食事を取れる日もあれば、
そうでない日もある。
親が期待した通りに、
子どもは動けないのです。
それが親として腹立たしいなら、
まだ「子どもを操作したい」気持ちが
残っている証拠です。
調子の変化なので、
子どもが裏切っているわけではありませんが、
子どもが親の希望に添う必要もないのだと、
再認識して下さい。
原因A 子どもの意思で期待を裏切る
子どもが意図して
親の希望から反する場合もあります。
今まで指示・命令(=期待)
されてきたことに反発し、
「親の期待通りにはならない」と
子どもが親に示しているのです。
その場合は
「子どもは親の期待通りにはならない」と再認識し、
子どもの選択を見守って下さい。
「支配型」の親はそれまで
子どもに指示・命令し、
敷いてあるレールを歩かせて来ました。
同時に、失敗しないようにと
レールの小石まで取り除いていたのです。
それは一見、
子どもを大切に育てているようですが、
「親が期待した通りになって欲しい」と
思っていたからです。
お父さんお母さんも、自分を見直すことが大切です。
子どもが自分で決断したことが不登校
これが不登校の原因だとすれば、
「不登校」が初めての
「子ども自身の選択」
だったのかもしれませんね。
これを正すには、
今までのようにレールを敷くのではなく、
子どもの選択に任せる、
あくまでも見守るということです。
今日は起きられなかった、
起きたくなかったのね。
今日は一緒に食事を取れなかった、
取りたくなかったのね。
子どもが選択したことです。
それでいいのです。
例え今まで親が
正しいレールを敷いてたとしても、
自分で選択したものでなければ
その「正しさ」もわかりません。
子どもは失敗して初めて
「親が正しかった」と思うのです。
@の場合もAの場合も、
子どもが期待に沿うように「誘導」するのも
やめてください。
この時期は、
親自身が今までの反省と共に、
子どもの選択を尊重出来るように
意識を変えてください。
そうすることが、
子どもを自立させ、
不登校からも回復する近道となります。
次のページは、
「支配型」の親がすべき「15の約束」そのLです。
子どもとの会話が復活したら、
「聴くこと」に徹しましょう。
不登校の子どもを回復させるのは、「指示」ではなく「聴く」です!
「支配型」の親、15の約束 そのK「期待通りに子どもを操作しない」関連ページ
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