不登校の子どもをもつ、「支配型の親」の体験談 2/2
支配的な態度をやめれば、
不登校は克服出来ます
<典型的な「支配型の親」 Aさん 後編>
私が指示や命令をしなくなると、
子どもの生活は、一時は荒れていきました。
学校に行かない、部屋に篭もりきり、
物を壊す、時には暴力を振るう。
本当に「指示・命令をしなくていいのか」
そう思うこともありました。
それでも指示・命令を
しないように努力していると、
子どもに変化が出てきたのです。
反抗的な態度ばかりだったのに、
私に対しての態度が少しずつ
柔らかくなってきました。
攻撃的な言葉しか言わなかったのに、
普通の口調で話をするようにもなりました。
こうなるまで、半年掛かりました。
少しの気の緩みが、また状況を悪化させてしまった
しかし、子どもの態度が柔らかくなった頃、
つい口出しをしてしまいました。
指示・命令のつもりはなかったのですが、
子どものやることに
つい口を出してしまいました。
そうしたら、
子どもはまた反抗的な態度に
戻ってしまったのです。
子どもの不登校の原因は、
やはり親である私の「支配的な態度」が
良くなかったのだと身にしみた瞬間です。
そこで私は
再び指示・命令をやめました。
私が口出しをしてしまったせいで、
少し遠回りしてしまいましたが、
また、子どもの態度は少しずつ軟化してくれました。
子どもも親も成長できた「不登校」
それでも、子どもの調子が
良さそうな日やそうでない日、
ムラがありました。
とんとん拍子では進まないので、
「指示・命令をしなくて良くなるの?」と
悩む日は多かったです。
悩みながらでも、
指示・命令をしない、愚痴や文句を言わない、
家事を一生懸命やる。笑顔でいる。
上手く出来なそうな日は、外出したり寝てしまう。
これを守って生活してると、
私が口出しせずとも、
子どもなりに自分の生活リズムを作り、
家の中での生活が安定してきました。
子ども自身で今後を考えられたようで、
「学校に戻りたい」と
私に話をするようになりました。
今までと同じ学校は嫌と言っていたので、
「私は転校しても良いと思うよ」と言ってみたら、
自分が行きたい学校をいくつか見つけて来ました。
子どもと一緒に転校先を話し合いました。
その時も、指示や命令にならないように、
子どもの意思を聞き出し、
尊重することに重点をおきました。
思えば、子どもが不登校になる前は、
子どもの意思をじっくり聴くことなんか
ありませんでした。
でも、子どもは子どもなりに
自分で考えているんですね。
親が口出す必要なんかなかったんです。
不登校を克服するまでは、長い道のりでしたが、
私も子どもも、人として成長出来たと思います。
不登校の時間は、決して無駄ではなかったのです。
次のページは、「支配型の親」の体験談から
不登校を克服するための道のりを考察します。
悩むこともありますが、約束を守って不登校を克服しましょう!
不登校体験談 -支配型の親- 後編関連ページ
- 「支配型」の親、15の約束 その@「指示・命令・注意をしない」
- 子どもが不登校になりそうになったら、なってしまったら、「支配型」の親は、指示・命令・注意をしないこと。今までの親子コミュニケーション(指示・命令・注意)に、子どもはエネルギー切れの状態なのです。
- 「支配型」の親、15の約束 そのA「問わない、責めない」
- 子どもが不登校になったとき、親が子どもにやってしまいがちなのが、不登校の原因や理由を問うことです。急性期、慢性期にこれをしてしまうと、子どもは「責められた」と感じ、まずまず回復が難しくなってしまいます。
- 「支配型」の親、15の約束 そのB「過保護にならない」
- 子どもが間違わないように、困らないように、という気持ちは親心ですが、それに偏りすぎると「過保護」です。「過保護」は子どもが意思・主張を行う機会を奪ってしまうのです。不登校を克服し子どもの成長を願うなら、「過保護」になることはやめましょう。
- 「支配型」の親、15の約束 そのC「一言だけの声かけ」
- 不登校を克服するには、子どもが十分に心を休め、エネルギーを蓄える必要があります。その為に「支配型」の親は、子どもへの口うるさく指示や命令をやめて、一言だけのコミュニケーションを取るようにしましょう。そうすると子どもには心境の変化が訪れます。
- 「支配型」の親、15の約束 そのD「暴言は言い返さない」
- 不登校の子どもが暴言を吐く理由は何でしょう?またその対処方法は?「支配型」の親は、今まで子どもを知らず知らずのうちにコントロールしようとしてきました。子どもの苦しみを理解することが、暴言を解決することになるでしょう。
- 「支配型」の親、15の約束 そのE「過度の暴力からは逃げる」
- 不登校の子どもの暴力の原因と基本対策は、暴言とほぼ同じです。但し、大怪我をしそうな暴力の場合は、特別な対処をしなければなりません。「心は寄り添い、体は逃げる」ことについて、解説しました。
- 「支配型」の親、15の約束 そのF「子どものご機嫌伺いをしない」
- 不登校の子どもの親は、子どもの機嫌を取ろうとする傾向があります。それは、機嫌が良くなって、親の印象が良くなって、「親の言うとおり学校に行かせよう」と無意識に考えているからです。それを自覚し、機嫌を取るのをやめましょう。
- 「支配型」の親、15の約束 そのG「要求を聴き、調べ、一緒に考える」
- 不登校の子どもは「あれ買って!」「これ買って!」と頻繁に要求します。この要求(とくに高額な要求)は、その「物」が欲しいのではなく、親の気持ちを試そうとしているのです。子どもの要求はよく聴き、よく調べ、必要かどうか一緒に考えましょう。
- 「支配型」の親、15の約束 そのH「兄弟喧嘩は仲裁しない」
- 不登校の子どもに兄弟姉妹がいた場合、兄弟喧嘩をすることが多いです。この時に親は、仲裁をしたり、ましてやどちらかの味方になってはいけません。大怪我しそうにエスカレートした場合、間に入れば良いのです。兄弟喧嘩の正しい対処方法、解説しました。
- 「支配型」の親、15の約束 そのI「愚痴や嫌味を言わない」
- 不登校の子どもを持つ親は、苦労が多いと思います。しかし、不登校の子ども本人や配偶者に愚痴や嫌味を言うのはやめてください。子どもは親の様子や態度、言葉に非常に敏感です。あなたが原因で、不登校を悪化させないで下さい。
- 「支配型」の親、15の約束 そのJ「家事を強要しない」
- 不登校の子どもは家にいる時間が長いです。「支配型の親」の家事を担当する親は、つい「子どもに家事を手伝う」ように言いがちですが、これは子どもが反抗するだけです。家事を手伝って欲しいなら、黙々と家事をする姿を見せる方が効果的です。
- 「支配型」の親、15の約束 そのK「期待通りに子どもを操作しない」
- 不登校の慢性期以降、子どもの行動に変化が訪れます。「支配型」の親は、次はこう、その次はこう、と順調な回復を期待しますが、子どもは親の期待通りにはなりません。この時期は子どもの選択に任せ、見守ることが重要です。
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- 「支配型」の親に足りないのは、子どもの話を「聴く」姿勢。親として、子どもに助言したいことはたくさんあると思いますが、それは子どもから求められた時だけにして下さい。子どもの話をじっくり「聴く」、そうすれば子どもは本音を話すようになるでしょう。
- 「支配型」の親、15の約束 そのM「発言する時はこの2つを守る」
- 子どもから意見を聞かれたとき、親が注意すべきことを2つ紹介します。子どもの話を「聴く」、親が発言するときは、主語を入れ、理解・共感の言葉を入れ、ワンフレーズで。親子の会話がじっくり出来れば、不登校を克服する手助けになります。
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- 「支配型」の親の「15の約束」、最後は「子どもを褒めること」です。「支配型」の親に育てられた不登校の子どもは、叱られることで傷つき自己評価を下げ、エネルギー切れになっているのです。褒めるためのポイントを解説しました。
- 「支配型」の親、15の約束 番外編「自分を責めない」
- 「支配型」の親が「15の約束」を守るために必要なのは、心を明るく前向きに保つこと。子どもが不登校になったことで、自分を責めていませんか?不登校は人生の通過点です。不登校を克服して、子育てを大成功させましょう。
- 不登校体験談 -支配型の親- 前編
- 「親は子どもに口出しするのが教育であり、躾けである」・・・支配型の親がよく考えることです。不登校の子どもに接する時、必ずしもそれが正しいとは限りません。「支配型の親」が子どもの不登校を克服した体験談を紹介します。
- 不登校体験談から学ぶ、支配型の親が子どもを見守る秘訣
- 体験談でも出てきた通り、「支配型の親」は、指示や命令をしないことに大変な苦労をします。今回は「15の約束」を守るための秘訣を紹介します。親は、「指示や命令しないと、子どもが間違ってしまう」と考えがちですが、その必要はないのです。